調圧弁を取り扱う際のアドバイスや注意事項を掲載しております。
ご使用になる圧力・水量に適する調圧弁を選択して下さい。
使用するノズルの総個数の設定圧力での吐出量を確認して最適のノズルを選定してください。
選択したノズルからの総吐出量以上の高圧水は余水配管から戻ります。ノズルの総吐出量がポンプの吸水量以上であれば圧力は維持できません。
調圧弁の水量範囲はポンプを安定的に運転するための重要な要素です。調圧弁の水量範囲を下回って使用すると適切な圧力・水量が維持できません。
調圧弁の水量範囲の上限を超えて使用すると弁・弁座の消耗を早めます。
ポンプ吸水量の10%が余水から戻るように設計すると調圧弁は長持ちします。余水を0%で使用したり、全余水で長時間使用すると、ポンプ故障の原因となり、調圧弁そのものも早く磨耗します。
上記の条件を満たした調圧弁は吐出配管の異常圧力に対してポンプを保護しするよう作用しますが、安全弁とは分けて選定するようにしてください。
ここではMRE型調圧弁をモデルとして説明します。
この調圧弁は、フロータイプの調圧弁です。ポンプ側から調圧弁を通って吐出側に圧力水が流れるように配管して下さい。
この調圧弁は、調圧ネジが操作できればどのような姿勢で配管しても構いませんが調圧ネジを上にして垂直に配管するのが最適です。最適な取り付け位置はポンプマニホルドに直接取り付けることですが、2次側配管上であっても構いません。調圧弁直近の配管を高圧ホースにするとポンプ脈動の低減になります。
余水は調圧弁下部のネジ部に配管します。ネジサイズと同径か1サイズ上の配管をして下さい。同様に直近の配管をホース配管にするとポンプ脈動の低減になります。余水配管を細い配管や過度に延長したり、曲がりくねった配管にすると液温上昇・弁と弁座の磨耗・ポンプ脈動や騒音の原因になります。
余水を0%で使用するとポンプの故障の原因になり、調圧弁そのものを早く磨耗します。また、余水配管にはバルブを配設せず、大気開放するようにしてください。
試運転時に余水量を測定し適切な余水が出ているか確認して下さい。
余水配管の接続先は、受水タンクに戻すのが最良です。タンク容量は毎分ポンプ吸水量の6~10倍が目安です。余水から出る気泡をポンプが吸水しないように障壁板を入れて下さい。
余水がタンクに戻せない時は、吸水配管に戻しても構いませんがポンプ吸水口から遠いところに戻さなければなりません。吸水に過度の圧力をかけるとポンプ吸入パッキンを傷めたり水漏れの原因になりますし、調圧弁の余水口を通過した際に発生する気泡を吸込むことで運転に異常を来たします。
また、余水を吸水配管に戻し続けると液温上昇を招きます。キャビテーションの発生で安定的な運転が損なわれ振動・脈動が発生し、パッキンの損壊、弁やマニホルドを傷める原因になります。
余水は出来る限り受水タンクに戻すようにして下さい。
圧力の制御は調圧弁で行います。調圧弁の設定でポンプの仕様圧力以上に圧力をあげる事は避けて下さい。調圧する時は、最小の圧力から徐々に設定圧力に昇圧して設定します。メンテナンス後の試運転の時は、必ず最小圧力から昇圧して下さい。