技術情報

吸水配管設計のアドバイス

給水配管設計のアドバイス

給水配管を設計する際のアドバイスや注意事項を掲載しております。

吸水条件チェックリスト

不適切な吸水条件を放置すると最適条件に設計されたポンプと周辺機器の機器性能を発揮できないばかりでなく、機器損傷の原因になります。

吸水と給水

給水バルブが閉まった状態では運転することは出来ません。 循環運転に於いて、調圧弁を装備している場合、吐出バルブを締めた状態で長時間運転(全余水運転)すると、給水配管の温度が上がりポンプの損傷を招きますのでごく短時間に留めるようにしてください。 給水タンクは6~10分の毎分吸水量に見合うタンク容量が必要です。 気泡の発生している水を吸水するとポンプの損傷を招きます。給水タンクへの補給水や調圧弁余水からの泡をポンプ吸水口から引き込まないように、タンク内には遮蔽板を設けてください。また1次配管ラインにエアリークがあった場合も気泡を吸い込むことになりますので、管理するようにしてください。 1次配管系等にフィルタや曲がり配管が多い場合にはバックアップポンプを取り付ける必要があります。 高温水を吸水させる場合や高粘度の液体を吸水させる場合にもバックアップポンプによる加圧送が必要になります。 ポンプのメンテナンスを容易にするためにタンクとポンプの間に、バルブを取り付ける必要があります。バルブは、配管抵抗にならないようにフルボアタイプで配管と同径か1サイズ上のものを使用します。

配管サイズ

配管サイズは、ポンプの吸水口径と同サイズか1つ上のサイズが必要です。給水配管は単純であるほど問題が起きません。90度エルボーよりも45度エルボーの方が配管抵抗が下がるため吸水条件が良くなります。 エルボー等の金具による曲がり配管の数は少ない方が条件が良くなります。 給水配管には、フレキシブルホースが必要です。固定配管だけではポンプの振動を吸収出来ませんし、キャビテーションの発生の恐れがあります。また吸引によって、または曲げ半径が小さいために潰れるホースでは問題が起きます。 配管の漏れやエアの吸込みは避けなければいけませんので管理するようにしてください。

給水圧力

高温水・高回転でポンプを使用する時は、バックアップポンプによる加圧送が必要になります。ポンプ自体の自吸だけでは不十分です。 ポンプへの給水圧力は0.14MPa以下に調整するようにしてください。給水圧が高いと吸水側パッキンの寿命を長持ちさせることが出来ません。

吸水のアクセサリー

吸水ストレーナは必ず取り付けて下さい。 40メッシュのストレーナを通過した異物はポンプのどこにも引っ掛からずにポンプを素通りします。思わぬ異物の混入でポンプを破損させない為にストレーナは必要です。 40メッシュの目開きはポンプ保護の目的です。洗浄液に混入している切粉や洗浄対象物の微細破片などでシールパッキンの寿命が低下する場合は、更に細目のストレーナか、フィルタの取り付けが必要となります。フィルタの設置ではバックアップポンプが必要です。差圧計を付けて定期的にに給水圧力を確認しフィルタの目詰まりを管理する必要があります。

キャビテーションダメージ

下記の1つまたは複数の要件があるとキャビテーションを原因とする不具合が発生し対策が必要になります。キャビテーション現象を放置するとポンプ寿命を著しく短くすると共に、装備している周辺機器にも損耗の影響が出ます。