技術情報

プランジャポンプ技術情報

丸山製作所のプランジャポンプを設置する際の設計のアドバイスや情報などを掲載しております。

プランジャポンプを用いたポンプモータセットの設計アドバイス

プランジャポンプは、プランジャスリーブが吸水・吐出行程を行う往復動ポンプを指します。
吸水量はポンプ入力回転速度に比例しますので、ポンプ自身では流量の制御は出来ません。
圧力の制御は別途装備する調圧弁もしくはアンローダバルブで行いますのでポンプ自身で圧力の制御は出来ません。
必ず調圧弁・圧力計などの圧力制御機器を配管してご使用ください。
プランジャポンプの能力を最大限に引出すためには、周辺機器の設計や検討が必要となります。

プランジャポンプの試運転時のアドバイス

プランジャポンプは、モータやエンジンからの動力をクランクケース内のクランク機構によりプランジャを往復動させています。従いまして、クランクケース内には必ず規定量のオイルを注油する必要があります。試運転前には必ずオイル量の確認をしてください。
ポンプに接続する配管は、給水配管、余水配管、吐出配管の3種の配管が原則的に必要になります。(運用形態により異なります)
給水配管からポンプ室内に使用液を引き入れ、ポンプ室内で液を圧縮し吐出配管より二次側へ高圧液を吐き出します。
装備した調圧弁にて圧力を調整し、選択したノズルからの総吐出量以上の高圧液は余水配管からタンク等へ戻ります。
調圧弁による圧力調整は圧力計の指針を確認しながら行います。
圧力計は設定圧力調整の他に、過剰昇圧、二次側のゴミ詰まり等による異常圧、液漏れによる降圧、給水不良による指針の脈動等、ポンプの稼動状態をモニタするためのものですので、指針の状態は必ず確認してください。

給水配管設計のアドバイス

ポンプは使用液の供給(送液/自吸)を受けてから機能を始めます。給水配管に不備がある場合には、正常に稼動しないか、故障を起こす場合もありますので、適性で確実な配管作業を施してください。給水配管には、タンクや濾過装置、バルブ、流体制御機器等が含まれます。ポンプに給水する水温には使用限度がありますので、循環運転を行う場合にはタンクの容量検討やチラー等の冷却装置も考えなければいけません。ポンプ保護のためにフィルタリングも同時に検討します。メンテナンスや流量管理のためにバルブを装備している場合は、開閉管理を確実に行うようにします。給水が滞り、空運転を起こした場合にはポンプに深刻なダメージが起きますので、給水管理には注意してください。ポンプを複数設置する場合は原則として吸水配管は単独配管とします。やむなく分岐配管を設ける場合には十分な距離と1サイズ以上径の大きい配管を検討します。

調圧弁の取扱説明

調圧弁は調圧ダイヤルを回すことで調圧バネを圧縮し、その力をでピストン弁もしくはボール弁に伝え、弁座に密着させます。そこに水を強制的に通過させることで、水に圧力を生じさせます。
調圧弁の構造によりますが、ポンプ側から調圧弁を入ってきた使用液は吐出側に流れ、選定したノズルの流量と調圧弁の調圧の加減で過剰流量が弁と弁座の間を通過し余水口から流されます。
バイパスポートを有している場合は、使用液の流れを弁と弁座の間を通過させずに迂回させることで圧力を下げます。
二次側への吐き出しが急停止した場合など、調圧バネが作用して弁と弁座の間を拡張することで余水口からリリーフする働きも行います。

アンローダバルブの動作

アンローダは調圧キャップを回すことでバネを圧縮し、その力をピストンを介して弁に伝え、弁座に密着させようとします。
水は調圧弁と違い横方向から入ってきて、バイパス通路を通り、ピストンを上方向に上げようとします。
このピストンを上げようとする力と下げようとする力がバランスして弁と弁座の間に隙間が生じ、そこに水を強制的に通過させることで、水に圧力を生じさせます。
また、逆止弁を使って圧力を抜くものアンローダの特長のひとつです。

アキュムレータの機能

アキュムレータは複数の機能がありますが、ポンプに装備する場合には脈動減衰とサージ圧吸収の目的で使用します。
アキュムレータのハウジング内はブラダを隔膜として窒素ガスと使用液とを分離しています。
使用液側の内圧に対して60%の圧力で封入された窒素ガスが、ブラダを介して使用液の内圧により圧縮されることで、使用液の脈動を緩和するよう作用します。